大切な人方を自死(自殺)で亡くされ、今あなたのこころは深い悲しみだけではなく、さまざまな感情が嵐のように押し寄せ、混乱されていらっしゃるのではないでしょうか。あるいは、大変大きなショックの中で、ご自分の感情が麻痺している状態になられているかも知れません。
大切な人の死という大きな衝撃を受けた時は、これまでに感じたことのない気持ちの変化やからだの不調が起きることがあります。これらの症状は、同じようなご経験をされた多くの方が経験するもので、けっしてあなたひとりだけの特別なことではありません。
悲しく苦しい気持ちでいっぱいかもしれませんが、どうかご自分を責めないでください。もし、苦しいときは、一人で抱えずに誰かに話をしてみたり、相談をしてください。
あなたはけっしてひとりではありません
「どうして?」「なぜ?」という思いが長く続きます。この問いへの、はっきりとした答えは得られにくいのですが、問わずにはいられないことからくる葛藤は非常に強く、遺された方の心を苦しめます。
「あのとき自分がこうしていれば」「なぜ気づいてやれなかったのか」などの強い自責の念は遺族の皆さんが抱きやすい感情です。しかし、自死に至る過程や理由は複雑で、誰かが責任を負うことができるような問題ではないのです。
感情が揺れ動き、深い悲しみの中から怒りの感情が生まれることがあります。大切な人がとった行動に対しての怒りや、自分に向けられる怒り、周囲に対しての怒りなど。
身近にいた方は、その存在価値を否定されたように感じたりしますが、それはけっして亡くなった方が、あなたを大切でないと思ったり、あなたを否定したということではありません。本人は自死以外のことを考えられなくなっていたのです。
自死遺族の悲しみは「沈黙の悲しみ」とも表現されます。
社会的にいまだ自死に対し偏見で捉えられることもあり、親族や親しい人にさえ自死について話せない場合もあります。そういった場合は無理をせず、自分の気持ちを大切にしましょう。安心して話せる人や話せる場所で、あなたの気持ちを話してみましょう。