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こころのメッセージ


誰もが自分らしく生きられる地域づくりのために

社会福祉法人 北九州市社会福祉協議会 計画調整担当課長 南里 佳代子

H30年1月掲載

本市では、住民自らが参加し、福祉課題の自発的・自主的解決を行うため、自治会、民生委員・児童委員、老人クラブ、婦人会、PTAなどの地域の活動団体が集まり、概ね小学校区を中心に、154の校(地)区社会福祉協議会(=社協)が組織され、地域の実情に応じた小地域福祉活動を展開しています。

その住民にもっとも身近な154の校(地)区社協が中心となって、7区の社協と北九州市社協が連携し、役割を分担しながら「みんなが安心して暮らせる支え合いのまちづくり」を実現するため、住民による支え合いのしくみづくり、「ふれあいネットワーク活動」に取り組んできました。
平成5年から取り組まれてきた「ふれあいネットワーク活動」は、現在、約7,000人の福祉協力員が、民生委員・児童委員等の地域関係者と連携して、全市で約118,000世帯を支えています。

しかし今、次のようなことを背景に、地域における支え合いの機能が弱まっています。

  • 少子高齢化、核家族・単身世帯・未婚の若者の増加

→ 家族や近所による支え合いの弱まり

  • 既存の制度だけでは十分に対応できない人

→ 制度の狭間にある人の増加

  • 非正規雇用者の増加

→ 経済的に困窮する世帯の増加

  • 課題を抱える世帯の把握や住民間の情報共有の困難さ

→ 適切な支援を受けられないまま孤立した生活を送らざるを得ない世帯が増加

一方、市が行った「こころの健康に関する実態調査」の結果をみると、

  • 悩みやストレスなどを相談できる人がいるかどうか
  • 相談したり助けを求めたりすることについて恥ずかしいと思うかどうか
  • 近所にちょっとしたことを頼める人がいるかどうか

といったことが、ストレスやこころの健康に影響していることがわかります。

校(地)区社協の福祉協力員は、支援が必要と思われる世帯を訪問したり、日頃の声かけや日常のちょっとした気遣いをとおして、困っていることがないかなど、ニーズの把握に努めています。
また、見守りを通じて気づいた問題を、地域の活動や民生委員・児童委員、関係機関につないだり、生活に役立ついろいろな情報を届けたりするのも福祉協力員の大切な役割です。

さらに、ふれあいネットワーク活動の発展的な活動として、住民による仲間づくり・居場所づくりのためのサロン活動や、地域の宝である子どもたちやその保護者と取り組むウェルクラブ活動、校(地)区単位の小地域福祉活動計画づくりなど、複雑・多様化する地域の生活・福祉課題にも、地域住民が主体的に解決に取り組んできました。

誰もが自分らしく生きられる地域づくりのためには、こうしたしくみを基盤に、

  • 住民や地域活動者が自殺予防を身近な問題と考えられるような場づくり
  • 困ったときに相談し、助けを求められるような地域づくり
  • 一人ひとりが身近なところで自分の役割や居場所を見つけられるような地域づくり

を進めていくことがますます重要になってくると思います。

また、誰にも相談できずに自殺にいたる人の「早期把握」や「見守り」のためのネットワークづくりには、地域住民や活動者がキャッチしたニーズを、ちゃんと受けとめしっかり対応してくれるつなぎ先があることも重要です。
複雑で深刻なケースが増える中、見逃さない、見て見ぬふりをしない、見たら受け止めつなぐ地域づくりのためには、専門性を有する人の配置と包括的・継続的・伴走的な支援ができる体制づくりが必要不可欠です。

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