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こころのメッセージ

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自殺未遂・自傷の後に−死にたい気持ちになる人、自傷をしてしまう人へ−

福岡大学医学部精神医学教室 衞藤 暢明

R6年3月掲載

死にたい気持ちに基づいて行動をすることを自殺未遂と言います。また、自分を傷つけることで一時的な安心を得たり、つらい気持ちを感じないようにしたりすることを自傷と言います。このような自殺未遂・自傷が生じた場合、精神科・心療内科での治療や相談を行うことが望まれます。

現実的には、身体的な治療や処置が行われた後に、専門的な治療につながらないこともあります。けれども、死にたくなるまでに追い込まれた背景の要因は、何もしなければ残り続けます。自傷しなければ解消できなかった辛く、苦しい気持ちもそのままになってしまうのです。このようなことが起こらないよう、できるだけスムーズに精神科的な治療や背景の問題が解決する専門家につなぐような仕組みづくりを、私自身は20年近く続けています。具体的には、救急医療機関と精神科医療機関との連携を図ったり、対応ができる精神保健の専門家の人材を増やしたりすることで、できるだけ早い段階で治療や支援につながるようにしたいと考えています。

ただ、このような支援者側の取り組みだけでは十分でないことも事実です。自殺未遂後や自傷後に、私が診療の場面で身につけて欲しい事としてお願いしているのは、「相談すべき時に、相談すべきことを、相談すべき相手に、相談できるようになる」ということです。相談できる時間帯は実際には限られます。適切な相手を探すのも難しいこともあります。このため、相談する相手を探し、相談することに普段から慣れていく必要があるのです。これができるようになるまでに、時間がかかることもあります。そこで大事なことは「あきらめないこと」です。

実際、多くの方が回復されますが、回復の過程でこのようなあり方を身につけていかれるのをしばしば目の当たりにします。そして、このようなあり方は、支援者の側も身につける必要があると確信しています。

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